今年からBSフジで放送ということで何が変わったのかと思い見てみた。今宮さんと川井さんが解説しているF1を見たのは無料放送で見た*1富士スピードウェイ最後のF1以来だから、2年振り。
昨年のフジテレビ放送と違うのは、可夢偉中心に煽る実況が無くなったことと国際映像で配信される映像のみで放送していることだろうか。前者は見やすくなる材料として改良点として、後者が予算削減の煽りを受けた結果なんだろうと思う。CS放送のダイジェストと思えば楽しめるが、BSやCSの野球やサッカー中継と比べてもコアな印象は否めず。専門的な解説を楽しめると思えば、満足だが裾野を広げられるかと言われると正直疑問。
F1以外のモータースポーツ中継は、GAORAで放送されるインディ500しか見たことないが、実況の陽気な語り口が印象的だった。それがあったから、モナコGPフジテレビ中継終了後の眠気に負けそうな状況でもインディ500を見る意欲が出てきた。それに対して、F1は今まで見てきたフジテレビ中継では少なかったマシンの専門的な解説*2が多いのは嬉しいけれど、如何にもマニアが語るような聞き取りにくい喋り方が凄く気になった。点数を入れれば勝ちの球技よりも遥かに分かりやすい安全に速くゴールできるかの競技*3なのに、専門的な知識が分からないとモータースポーツは見られませんと解説されているようで少しの疑問を持つ。
F1が初心者に対して敷居が高いと言われているのは、車とドライバー両方の知識が求められているのが大きい。見たきっかけは深夜アニメについでに見ていたドイツGPで、独走していたライコネンが突然リタイヤしてから*4だったりする。実際、F1中継を始めてみた時*5は、画面を何となく追っているだけで終わってしまった。野球*6やサッカーと違い情報量が多すぎて、理解できなかった。F1のニュースをできるだけ集めるようにして、何年も見続けていき徐々に覚えていったものの、未だにマシン構造に関しては解説を聞かないと理解出来ないのも事実である。メカニックから関心を持った人は、逆にドライバー的な話が弱いんだと思う。思うとしか書けないのは、F1を見ている知り合いが周りにいないからである。
結局のところ、F1解説者の育成が遅れている。いや、難しすぎて同じ人達しか起用できないのが、20年以上にわたり今宮さんと川井さんのダブル解説が成立している要因なのかもしれない。本来ならば次世代解説者を起用出来ればいいんだろうけど、難しさに加え、日本でのF1需要が大きく低下しているのが、フジテレビ側に勇み足を踏ませているのかもしれない。セナと琢磨の間の時代に別の解説者を長年起用できたら変わったかもしれないが、そういう変化もなく。自身がF1を見だした03年の永井大さんと山田優さんのスタジオキャスターなのが、大きな変更点だったのだろうか。あの頃は佐藤琢磨がF1で活躍していたのも大きかったものの、永井大さんは何のために起用されていたかよく分からなかった*7。F1ファンがコアな知識を持っているためか、ゲストとしてもコアな人を求める傾向にあるのも難しいのかもしれない。客観的に見て認められているのが、F1雑誌にコラムを持っている堂本光一さん位だと思えるほどだ。
何れにせよ、ブリヂストンとトヨタとホンダの撤退したF1をわざわざ見るのはモータースポーツヲタクのみという現実は変わりない。日本の産業は車中心に成立しているのに、モータースポーツの関心のなさ*8も大きいのかもしれない。とはいえ、F1を見ていると、スポーツ中継を楽しませようという雰囲気を余り感じないとふと思ったので、久々に長文を書いてみた。
レース結果
優勝はハミルトンで2位はベッテル。昨年同様、マクラーレン*9とレッドブルの争いには変わりなさそう。
Q1敗退ながら、決勝で7位に入ったライコネンを見られたので満足。予選ではグロージャンが3番手につけていたので、マシンパフォーマンスも期待できそう。可夢偉も6位で今後頑張って欲しい。
次回は今週末のマレーシアGP。今年の放送時間は例年よりも相当早いのが嬉しい。